もしも、純粋な経営者が、戦略だの戦術だのに振り回されてブレてしまったら?

僕は、顧問先さんに、

 

「他社と争う必要はありませんよ」と、

よく言っています。

 

なのに、場合によっては、

社員同士を

競わせたりもします。

 

 

わかりますでしょうか?

 

そう、「競争」は

否定してないのです。

 

商売において、

争うことは否定していないのです。

 

(基本的には、ね。)

 

 

なにより、

 

「争うのなら、勝てるように」

というのは、当然考えます。

 

 

では、なぜ、

「他社と争う必要はありませんよ」

と言うのか?

 

 

「戦わずに勝つ」

というのが、

兵法の最上だからでしょうか?

 

もちろん、

それもありますが、

 

その兵法の最上より

大事なことがあります。

 

 

それは、

そもそも、

 

商売の本来の「目的」は

 

「他社に勝つこと」ではないはず、

ということです。

 

 

ほとんどの方の

商売の場合、

 

目的は、

他社に勝つことでしょうか?

 

いいえ、違うはずです。

 

 

ここは、

本当に危険なところで・・・

 

ほんのちょっとの

「感情」で、

 

本来の目的を、

見失ってしまいます。

 

 

も、もう一回言いますね?

 

ほんのちょっとの

「感情」で、

 

本来の目的を、

見失ってしまいます。

 

 

ほんのちょっとの

「感情」で、

 

本来の目的を、

見失ってしまいます。

 

もう一回言いましょうか。

 

ほんのちょっとの

「感情」で、

 

本来の目的を、

見失ってしまいます。

 

(わかってるわ!は

ないところだからね(笑))

 

 

ここは、

いかに今うまくいっていようが、

ブレる要素満載のところなんです。

 

さて、ちょっと

実際にあるような

寸劇を入れますか・・・

 

まぁ、実際にあった話ですが(笑)

 

ーーーーーーーーーー

 

 

社長さん

「やっぱ、何かの分野で1位にならないとね!」

 

新井

「そうなんですか?」

 

社長さん

「鶏口となるも牛後となるなかれ、ですよね。やっぱり。」

 

新井

「そうですね、よく言いますね。」

 

社長さん

「さて、新井さん、ウチの場合、何か1位になるためには、どうしたらいいでしょうか?」

 

新井

「小さくても何でもいいから1位になりたいんですか?」

 

社長さん

「そうです。やはり2位はお客様の頭に残らないんですよ。」

 

新井

「なるほど。1位富士山と2位北岳のようにですかね?」

 

社長さん

「あ、そう、よくご存知ですね、さすが。」

 

新井

「まぁ、2位はすごいのに知名度は一気に下がりますよね。」

 

社長さん

「そうなんですよ!で、やっぱり、何かで1位を作っていけないか、と。」

 

新井

「そうですか、がんばってくださいね。」

 

社長さん

「いや、何か、良いアイデアを!」

 

新井

「そうですか、がんばってくださいね。」

 

社長さん

「ちゃんと聞いて下さいよ!将来考えても1位にならないとマズイと思うんですよ!」

 

新井

「ほな、逆に、1位になれなかったら、何かマズいですか?」

 

社長さん

「そんなどっかの議員さんみたいにー!だって、1位にならないと意味がないでしょう!」

 

新井

「なんでです?」

 

社長さん

「いや、だって、一番になれないのなら意味ないと思いませんか?」

 

新井

「じゃぁ、なったらいいじゃないですか、一番に。」

 

社長さん

「いや、ですから、どうしたらいいか、ぜひお知恵を貸してほしいんです。」

 

新井

「本気でその言葉重ねるなら、僕は帰りますよ?」

 

社長さん

「え?どうしてです?そんなに変なこと言ってますか?」

 

新井

「いや、言ってないですよ。ただ、僕が居る意味はないです。」

 

社長さん

「いや、私は新井さんに、これからもお知恵をお借りしたいんですよ?」

 

新井

「うーん・・・ところで、なぜ急に、1番になりたい、って言いだしました?」

 

社長さん

「え?いや、昔から思ってましたよ、ずっと。」

 

新井

「ちがう、そうじゃなくて、急に言い出した理由です。」

 

社長さん

「え?あぁ、いや、そろそろ狙った方がいい時期かと思いまして。」

 

新井

「なるほど、じゃ、良い時期だと思われたんですね?」

 

社長さん

「えぇ、そうですね。良い頃合いだと。」

 

新井

「お客さんにとっても最高の商売にしていこう、ってことで僕に依頼頂きましたよね?」

 

社長さん

「あ、はい、それはもう、そうです。」

 

新井

「変わってませんか?」

 

社長さん

「もちろん、変わってないです!」

 

新井

「僕は最初からずっと言ってるのは、お客さんが喜ぶことばかりですよね?」

 

社長さん

「えぇ、そこは新井さん、全部そうですから。」

 

新井

「それを色んな角度から効果的に積み上げて行ってますよね?」

 

社長さん

「そうですね、おかげさまでお客さんの評判はすごく上がりました。」

 

新井

「それ、今現在の段階で、僕が伝えていること十分に出来てますか?」

 

社長さん

「いや、まだまだ途中段階で、やれてないこともあります。」

 

新井

「それは、今後もやっていくんですか?」

 

社長さん

「えぇ、今後もずっとやっていくつもりですよ!」

 

新井

「じゃぁ、積み重ねが途中段階というのは自覚されてるんですね?」

 

社長さん

「はい、それはもちろん!」

 

新井

「そんな時期だからこそ、1位を目指すってことですか?」

 

社長さん

「え、あ、いや・・・」

 

新井

「良い頃合いって、おっしゃってましたけど・・・」

 

社長さん

「あー・・・・」

 

新井

「お客さんにとって良いことを、甘やかしすぎないように積み重ねるのって、大事ですよね?」

 

社長さん

「そうですね。」

 

新井

「僕がこちらに来て、今までに言った事、特別な凄い策、ありましたか?」

 

社長さん

「いや、全部が言われてみれば当たり前なことばかりですね。はい。」

 

新井

「でも、それは言われないと当人は気付けない盲点ばかりでしたよね?」

 

社長さん

「まさにそうです。」

 

新井

「別に油断していた訳じゃないのに、気付けない点いっぱいあった訳ですよね。」

 

社長さん

「えぇ、しかも、ただ指摘されただけじゃ、感情的になって受け入れられないことでした。」

 

新井

「感情が多少絡んでるからこそ、当人には見えないようになってますもんね。」

 

社長さん

「こちらが受け入れられやすいように、気付かせてくださったなぁ、と。」

 

新井

「でも、やってみれば、当たり前に見えちゃうんですよね(笑)」

 

社長さん

「そうです。でも、よく考えたら、どこにもそこを見てる会社はないと。」

 

新井

「でも、他社には表面は当たり前見えるから、真似しようがない。」

 

社長さん

「真似されても困りませんもんね、こっちは。」

 

新井

「じゃぁ、その当たり前は効果は、ほんのちょっとでしたか?」

 

社長さん

「いや、めちゃくちゃ効果大きいです。」

 

新井

「数字は下がりましたか?」

 

社長さん

「いえ、めっちゃ上がってきています。」

 

新井

「では、申し訳ないのですが、あえて思いっきり厳しい表現していいですか?」

 

社長さん

「あ、はい、お願いします。」

 

新井

「言われてみれば当たり前なこと、をやったら今まで以上に喜ばれたんですね?」

 

社長さん

「はい。」

 

新井

「ということは、今まではできてなかった点が、実はいっぱいあったということですね?」

 

社長さん

「言い方変えると、そうですね。はい。」

 

新井

「まだ、改善余地はいっぱいあるんでしたか?もう精一杯で限界でしたか?」

 

社長さん

「いえ、いっぱいあります。」

 

新井

「それをやったら、さらにお客さん喜ぶんですよね?」

 

社長さん

「えぇ、間違いないです。」

 

新井

「で、お客さん喜んだら、売上はどうなりましたか?」

 

社長さん

「ここ最近、思いっきり、上がっています。」

 

新井

「それ、何かの1位に向かって、遠ざかってます?近づいてます?」

 

社長さん

「近づいてます。」

 

新井

「まだ出来てないところいっぱいなのに、ですか?」

 

社長さん

「あ、そうですね、まだいっぱいなのに、です。あ、そっか・・・。」

 

新井

「そう、1位目指すのは悪くないけど、今すぐなんとかアイデア!ってなってませんでした?」

 

社長さん

「あー、ちょっとなってたかもしれません。」

 

新井

「でね、鶏口牛後・・・鶏口となるも牛後となるなかれ、の話してましたね?」

 

社長さん

「あ、はい。」

 

新井

「なんで鶏口、つまり小さな分野でも1位が必要と思いました?」

 

社長さん

「そのほうがお客さんから見て、見つけやすくなったり選びやすくなったりするかと。」

 

新井

「そんな必要、あります?」

 

社長さん

「え!?」

 

新井

「いや、見つけやすくなったり、選びやすくなったりする必要、あります?って。」

 

社長さん

「え、いや、だって・・・」

 

新井

「今、お客さんに今まで以上にご支持頂いて、数字も伸びてきてる訳ですよね?」

 

社長さん

「あ、はい。そうですね。」

 

新井

「だから、見つけやすくなったり、選びやすくなったりする必要、あります?って聞いてるんです。」

 

社長さん

「あ、そうか。もうなってるのか・・・」

 

新井

「そう。鶏口牛後の戦略は決して悪くない。でも、基本的にね・・・」

 

社長さん

「はい。」

 

新井

「それ、見込み客に来てもらいたい人、新規客獲得の人がやることじゃないでしょうか。」

 

社長さん

「ウチはもう、そこじゃないんだ。」

 

新井

「そう、結果的に1位になるのならOKですが、今の段階でわざわざ狙う必要はないのです。」

 

社長さん

「そうか、新規客増やすところはお金と手間掛かって成功率低いから、そこは選ばないって話でしたね。」

 

新井

「そう、だから、今まで僕と一緒に数か月、お金全然掛けずにやってきたんでしょ?」

 

社長さん

「えぇ、まさにそうです。実際に、新規客狙ってないのに、売上あがって新規客もボチボチ増えてる・・・」

 

新井

「そうです。鶏口牛後のところは、必要ないように組み上げたんです。」

 

社長さん

「・・・そこは今さら狙っても無駄ってことですね?」

 

新井

「むしろ、後退しますよ?せっかく今、その段階より数段進んでるのに。」

 

社長さん

「そうか・・・そうですね。」

 

新井

「なんなら、後退します?」

 

社長さん

「あー、いや、全然要りません。」

 

新井

「でね、それ、なんででしょう?」

 

社長さん

「え?」

 

新井

「いや、なにが影響して、そんな思考になりました?」

 

社長さん

「あー、何だろう?」

 

新井

「そこまで急に変わるって、何か外的要因あったはずなんですよね。」

 

社長さん

「あ、そっか。自分で昔から考えてたって言ってましたけど、違いますね。」

 

新井

「そう、ここが怖いところで、悪気はないし、純粋に影響されただけなんですね。」

 

社長さん

「よく考えたら、新井さんを信じてない感じになってますよね・・・」

 

新井

「僕はいいんですが、なんかしんどかったでしょ?」

 

社長さん

「実はそうなんです。なんだか焦りばかりが出てきちゃって。」

 

新井

「外的要因、本でしょうか?セミナーでしょうか?友人でしょうか?」

 

社長さん

「あ、こないだの飲み会だ。やたら1番にとか、1位目指せとか、話題が多かったんだ。」

 

新井

「友人でちょうど、そこを勉強中の方がいらっしゃったんでしょうね。」

 

社長さん

「そう、まさにそんな感じで熱弁してました。」

 

新井

「その方も全然悪気はないし、決して悪くはないのですが・・・」

 

社長さん

「ですが?」

 

新井

「その会社ごとに置かれている状況や考え方が違うので、ヨソはヨソ、なんですよ。」

 

社長さん

「あ、そっかー・・・。」

 

新井

「その方の熱意が強くて、ちょっと感化されたんでしょうね。」

 

社長さん

「あいつ、昔から影響力あったからなー・・・そうかー・・・」

 

新井

「まぁ、同じ状況だとしても、僕はそれを選択しませんけどね。」

 

社長さん

「1位を目指すことですか。」

 

新井

「えぇ、悪い手だとは思いませんが、僕はやらないです。」

 

社長さん

「あ、そうなんですか?」

 

新井

「だって、もっと良い形作ったらいいと思いません?」

 

社長さん

「なるほど。あ、ウチも最初は新規客獲得で悩んでましたよね。」

 

新井

「そう、ここでもっと良い形、作ってる最中じゃないですか(笑)」

 

社長さん

「あー、そうか、地道なところやってただけなのに、今はそこ悩んでませんもんね!」

 

新井

「そう、その土台がもっともっと出来たら、さらに上のこと言えますけど・・・」

 

社長さん

「ですよね。」

 

新井

「ええ、土台疎かにしている思考の段階では、何も言えないですよね。」

 

社長さん

「あー、もう、情けないなー」

 

新井

「いやいや、仕方ないですよ。戻れたからいいんじゃないですか?」

 

社長さん

「まぁ、そうですね。戻れなかったらゾッとしますね。」

 

新井

「見るところがお客さんの満足じゃなく、他社を追い抜いて目立て、ですもんね。」

 

社長さん

「お客さんのためも、見つけやすくしてあげなきゃって思ってたんだけどな、そうかー。」

 

新井

「もちろん、それは良いことですが・・・ですが・・・ですが?」

 

社長さん

「ですが?」

 

新井

「そこで言うお客さん、とは、獲得したい新規客のことですよね。」

 

社長さん

「あ、そっか、新井さんとはそこじゃない話してますもんね。」

 

新井

「結果は微妙にズレますよね。」

 

社長さん

「北に行きたいのに北北東向くだけで、歩けば歩くほどズレが大きくなるってアレですね?」

 

新井

「本人、悪気ないから仕方ないんですけどね。」

 

社長さん

「いや、ありがとうございます。気付きませんでした。」

 

新井

「いえいえ、伝わって良かったです。・・・で、どこ見て商売するんでした?」

 

社長さん

「いやー、お客さんですね。」

 

新井

「じゃ、あえて聞きますが、昔、どこ見て商売してから、不調に陥りました?」

 

社長さん

「あー、昔は・・・あっ、他社を追い抜くこととか、戦略戦術とか、自社の儲けですね。」

 

新井

「お客さんだけみて商売することに戻した今は、どうですか?」

 

社長さん

「売上ですか?」

 

新井

「そう。」

 

社長さん

「上がってます。」

 

新井

「昔、他社みたり戦略戦術意識したりして商売した時はどうでしたか?」

 

社長さん

「下がりました。徐々に、徐々に・・・。出口ない迷路な感じで・・・。」

 

新井

「ほら、明らかに結果が物語ってますよね?」

 

社長さん

「あー、ホントだ・・・。」

 

新井

「で、今から何か1位になれるアイデア、欲しいですか?」

 

社長さん

「いや、要りません(笑)」

 

新井

「今から何します?」

 

社長さん

「なんかね、もっと地道なところ固めますよ。お客さんに会いたくなってきた。」

 

新井

「あはは、いいですね。んじゃ、そういう話しましょうか!」

 

ーーーーーーーーーー

 

(ノンフィクション寸劇、ここまで。)

 

ほら、言ったように、

 

ここは、

本当に危険なところで・・・

 

ほんのちょっとの

「感情」で、

 

本来の目的を、

見失ってしまいますよ、

ということ、

 

少しはご理解

いただけましたでしょうか?

 

 

では、戦略戦術好きな社長さんに、

あえて、難しくして言ってみますね。

 

昔の兵法でも、

鋒矢の陣で敵陣を一点突破した後は、

逃げる場合、殲滅する場合などによって、

その後の陣形は変わります。

 

逃げる場合は、

そのまま逃げる。

 

だって、鋒矢の陣で

ある一点の敵を突破するってことは、

 

そっちにしか

退路がないってことでしょうから。

 

もしくは、

一点突破してまででも

そちらの退路を選ぶ方が、

逃げ切れる確率が高いから、

そちらを選んだのでしょう。

 

 

逆に、

殲滅する場合は、一点突破した部隊が

反転し回り込んで、

そのまま包囲し、威嚇し、

 

相手の戦意を徐々に失わせて

混乱させたうえで、

 

一斉攻撃を加え、

頃合いをみて降伏を促す、とか・・・

 

つまりは

「一点突破」した後に、どうするか、が

「明確」だからこそ、

「一点突破」ということを選択するのです。

 

小さな会社だから、

とにかく一点を輝かせて云々というのも

確かに立派なやり方の一つかもしれません。

 

でも、その根底の目的や性根は

どこにあるのか、なんですよ。

 

商売の本筋からズレた思考や行動のまま

無理くり1位になったところで、

その先に何が待っているのでしょう?

 

 

人の生き死にが掛かった戦場では、

参謀の知恵が

勝敗を分けていました。

 

現代の商売は、

人の生き死にまでは掛かっていませんが、

 

大事な社員の生活や、

あなたの家族の生活が

掛かっているのです。

 

 

あなたの

ちょっと知っているだけの

ポピュラーなやり方の知識よりも、

 

下手なやり方でも誠実に

「徳」のある商売をすれば、

 

その商売は、

中途半端に戦略戦術考えてる人の

倍以上は良い結果が出るものなのです。

 

 

商売は

甘いものではありませんが、

 

ぶっちゃけ、

「やり方」なんてそんなものでも、

繁盛できるのです。

 

一見、賢そうなものに、

惑わされないでください。

 

 

自分に関わるすべての方々、

お客さん、社員、家族、取引先・・・

そして、近隣、地域、

 

みんなが、笑顔になることを

選択してあげるのが、

 

社長さんの、

経営者さんの

「器」なんだと思います。

 

 

凄いことを考えだすことは、

社長の仕事ではなく、

 

徳のある選択をすることが、

仕事なんだと思います。

 

 

なぜ、

「他社と争う必要はありませんよ」

と言うのか?

 

それは、

 

「目的」が

「他社に勝つこと」では

ないからです。

 

 

ほとんどの方の商売の場合、

目的は、他社に勝つことでしょうか?

 

いいえ、

違うはずです。

 

 

ぜひ、

「徳」のある選択を、

 

あなたの良心に

忠実な選択を、

 

自信を持って

選べるように

なってあげてくださいね!

 

 

 

商売する人の福の神

経営者の参謀

新井悟之