成功事例や具体的方法という余計な知識を捨てると、必要な発想は湧き出てきます。

昔々、

ポルトガルのコロンブスは

新大陸(今のアメリカ)を発見しました。

 

当時のヨーロッパでは

地球はラピュタのように

宇宙に浮いている島であり、

ヨーロッパの西は地の果て。

 

だから海は下に向かって

滝のように流れているから

近付くと危険、だというのが

一般的な考えだったそうです。

 

ですので、

誰も西の海には

近付かないという状態でした。

 

 

そんな時に、

コロンブスは危険だからやめろ!という

偉い学者様たちの制止を無視し、

 

航海に出て、

西へ西へと向かい、

新大陸を発見しました。

 

やったことは、

ただ一つ。

 

「西へ西へ、進み続けた」だけ。

 

航海士なら

「当たり前のこと」を

ただ、ただ、

行っただけです。

 

 

ポルトガルに帰ってきたら、

コロンブスは王に讃えられ、

国の英雄になりました。

 

今だ誰も

成し遂げたことがない偉業を

達成したからです。

 

 

その功績を祝う晩餐会で、

ある学者が言いました。

 

「コロンブスは、

そんなに凄いことをしたのか?

 

誰も成し遂げたことがない偉業?

いや、今までは誰も

ただやらなかっただけじゃないか!

 

なぜなら、彼は

ただ単に西に進み続けて偶然、

新大陸を見つけただけだ!

 

こんなことは、

航海士なら誰だってできるじゃないか!」

 

シーン…

 

た、たしかに…

 

学者の必死の主張に、

後押しされたのか、

コロンブスを妬む人たちから一斉に

「そうだ、そうだ!」

という声があがりました。

 

晩餐会は微妙な空気です。

 

 

その時、

コロンブスは

食卓にあった「ゆで卵」を手に取り、

こう言いました。

 

「どなたか、

この卵をテーブルの上に

立てることが出来る方、

いらっしゃいますか?」

 

「卵を立てる?

そんなことできる訳ないじゃないか!」

 

「私は簡単に出来ますよ?

みなさんにも必ず出来ますから、

チャレンジしてみてくださいよ!」

 

「む、むう、

ではやってみよう…」

 

しかし、

何度やっても、誰がやっても、

卵はコロコロ、コロコロ、

転がるばかり…

 

「こんなの出来っこない!

この嘘つきめ!

貴様も出来るものなら

やってみせやがれ!」

 

するとコロンブスは、

ゆで卵の底をグシャッと潰し

テーブルの上に、見事、

卵を立てて見せました。

 

シーン…

 

皆、呆気にとられていると、

一人の学者が言い出しました。

 

「割っていいのなら、

誰だって出来るじゃないか!」

 

みんな続きました。

 

「そうだ、そうだ!

先にそう言えば誰だって出来る!

インチキだ!

貴様はズルい!」

 

コロンブスは、言いました。

 

「だからあなたたちは

偉業を達成できないんだ!」

 

「な、なんだと!?」

 

「先に答えをみたら、

当たり前のことに見えます。

 

でも、あなたたちは、

その当たり前のこと、

 

ただ西に船を進めるだけという

当たり前のことすら、

 

誰一人

やらなかったじゃないですか!」

 

ーーーーーー

 

商売の話に絡めるために、

コロンブスに

少し嫌な言い方をしてもらいました(笑)

 

 

世間で流行っている

成功事例の模倣…

 

保証保身を求める気持ちからの

前例の踏襲…

 

安易で手っ取り早く見える

具体的なやり方探し…

 

これをやっていて

「なかなかうまくいかない」

「問題がたくさん起こる」

 

という経営者さんは

たくさんたくさん見てきました…

 

 

先に答えがわかると、

当たり前のことに見えます。

 

でも、自分が生み出していないから、

本当に大切なところは

見えないままなのです。

 

 

人の真似は簡単です。

 

ただ、それでは、

コロンブスに文句を言っていた学者たちと、

なんら変わりません。

 

たいしたことは、

成し遂げられません。

 

 

あなたの商売が、

今以上に楽しくなり、

今以上に業績が上がった状態は、

 

「まだ見ぬ状態」

ではないでしょうか?

 

つまりは、

コロンブスの話でいうと

まだ答えはない状態なのです。

 

ですから、

すでにある答えに対し向かって走る

「人の真似」では、

 

走れば走るほど

目的地がズレてくるのは

当然です。

 

それでは、

まだ見ぬ最高の状態には

辿り着けないのです。

 

人の真似でソコソコでいいのか?

 

それとも、

高い楽しい理想を

実現しようとするのか?

 

僕があなたにメッセージを送るのは

もちろん、後者のためです。

 

 

ですから、

 

成功事例の模倣、

 

前例の踏襲、

 

具体的なやり方探し…

 

これらは、邪魔です。

 

触れないでください。

 

その知識が、あなたの

強烈なストッパー(要らん思い込み)に

なってしまうのですから。

 

商売繁盛を実現するのに、

「要らない思い込み」ほど

邪魔なものはありません。

 

 

余計な知識に

縛られなくなると、

 

世の中があるがまま

キチンと見えるようになり、

 

あなたの頭脳は、

驚くほどスッキリしますよ!

 

そうなると、必ず、

自然と自分の中から

今まで出てこなかった知恵が

どんどん湧いてきますから!

 

 

 

商売する人の福の神

経営者の参謀

新井悟之